柳沢伯夫厚生労働相は27日、松江市で開かれた自民県議の決起集会で、「産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と女性を機械に喩えて少子化問題を解説した。
柳沢氏は「これからの年金・福祉・医療の展望について」と題し約30分間講演。出生率の低下に言及し「機械って言っちゃ申し訳ないけど」「機械って言ってごめんなさいね」との言葉を挟みながら、「15−50歳の女性の数は決まっている。産む機械、装置の数は決まっているから、あとは一人頭で頑張ってもらうしかない」と述べた。
安倍晋三首相は31日午前の参院本会議の代表質問の答弁で、柳沢氏の発言について「多くの女性の心を痛めたことに対し、私も深くおわびを申し上げる」と陳謝した。ただ柳沢氏の進退に関しては「大臣も深刻に反省しており、国民の信頼を得られるよう全身全霊を傾けて職務を実行してほしい」と述べ、野党側が求めている罷免を重ねて否定した。
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「女は子どもを産む機械」との言葉が一人歩きしてしまっている感はありますが、ただ誰も柳沢大臣がそうした女性観を持っていると思っている訳ではなく、大臣職にある人物が少子化を論じるに当たって極めて不適切な喩えを用いたことが問題なのです。
ところがそうした不適切な失言をした閣僚を、罷免する考えがないという安部総理の態度は、失言以上に不適切な対応です。この安部総理の弁明は、どう見ても「私は柳沢大臣を許しますよ」以外の何ものでもありません。厳重注意で許せることだからそれで済ませている訳で、許さないのなら罷免するしかないでしょう。「本人に厳しく反省を求めた」と安部総理は何か自分自身が問題を裁く人だと激しい思い違いをしているようですが、許す許さないは国民の感情であって総理の一存で決められることではありません。
さらにその国民は、安部が厚労大臣を罷免しないのは福岡県知事選挙や北九州市長選そして今夏の参院選の影響を考えてのことだということにも気づいています。つまり大臣として適当かどうかということは最初から安部の眼中にはなく、安部はただただ選挙を有利にする為に自身の支持率だけを気にしていることが見え見えです。また県知事や市長を決める選挙は地方自治のリーダーをその政策により決める選挙であり、失言した厚労大臣を罷免させない内閣の信任選挙ではありません。
総理として極めて不適切な応対しかできない安部晋三さんには辞任をお勧めします。