日本シリーズ5戦

ekiden_racer2009-11-05

  • 第5戦 東京ドーム G3勝F2勝
  • F  0 1 0  0 0 0  0 0 1 :2
  • G  0 0 0  0 0 0  0 1 2X :3
  • 藤井-建山-林-○武田久
  • ゴンザレス-●山口

2勝2敗の五分の成績で迎えた第5戦は、勝利したチームが王手をかけて相手をもう負けられない状況に追い込むという意味で重要なゲームであるだけでなく、ファイターズは非常に地元に根付いた球団であり、残るゲームをホームで争うという意味も大きなものとなる。もちろんシリーズは全7戦で争うものであり、5戦目の勝敗が全てを決するわけではないが、シリーズの流れを大きく左右する天王山であることは間違いない。

7回まで藤井、ゴンザレス両先発投手の素晴らしい投手戦。ファイターズ2回の得点は藤井が自分のバットで、古城・小笠原のエラーに絡んで挙げたもの。藤井は回を追うごとに躍動感を増す気迫のピッチングでジャイアンツ打線を抑える。ゴンザレスも自身2度犠打で走者を進めチャンスを作り出しながら、援護できない野手陣に腐ることなく根気強く投げ続けた。
8回からはジャイアンツは山口、ファイターズは建山が登板。左打者の続くファイターズ打線に対し左のリリーフエース山口への交代は、ゲームの重苦しい雰囲気を変える意味でも妥当。一方好投を続け1点のリードを守ってきた藤井の交代は判断が難しいところ。最小リードを守り切る継投なら金森という選択肢もあったのではないか。
建山は代打李承菀死球。代走鈴木は初球にすかさず2盗を決める。ところが坂本がバント失敗で鈴木を3塁に進められない。松本・小笠原と左が続く場面で梨田監督は林にスイッチ。ここも宮西という選択肢もあったと思う。林は代打大道を迎え、2塁への牽制悪送球で鈴木を3塁に進めてしまう。大道は変化球のタイミングで林のストレートをファールでかわし続ける。バッテリーに変化球勝負は危険とストレートを連投させ、そのストレートを前進守備のセカンドの頭上を越える右前に打ち返す同点打。なおも1死1塁でクリーンアップを迎え、一気に逆転ムードが高まる中、林は結局ミス絡みの同点までに抑え追撃は断った。
延長戦も視野に入った継投をどうするかが頭をよぎり始める9回、4番高橋が勝ち越し弾を放ちジャイアンツの追撃ムードを一転、敗戦ムードに変えてしまう。林のミス失点をカバーして余りある価値ある一打だった。
9回裏、ファイターズは守護神武田久がマウンドに上がる。これまで当たりの止まっていた亀井が初球の高めのストレートを完璧にとらえる同点弾。谷ライトフライのあと阿部が2球目の変化球をライト外野席に叩き込みサヨナラ。ジャイアンツがマンガのような劇的なサヨナラ劇でシリーズ王手をかけた。
(写真:8回に代打で右前に適時打を放つ大道選手)