日本シリーズ6戦

ekiden_racer2009-11-07

  • 第6戦 札幌ドーム G4勝F2勝
  • G 0 1 0  0 0 1  0 0 0 :2
  • F 0 0 0  0 0 0  0 0 0 :0
  • 東野-●内海-豊田-山口-越智-クルーン
  • 武田勝-江尻-林

ジャイアンツが王手をかけて臨む札幌でのゲーム。日程的に第2戦で一世一代の投球を披露したダルビッシュの登板も考えられたが、梨田監督は第7戦でダルビッシュを登板させると明かした。第2戦で好投したとは言え、やはり本調子ではないダルビッシュを起用することに抵抗があるようだ。それだけではなく背水の陣で傷だらけのエースを登板させるのでなく、第6戦に勝利してダルビッシュに繋げようという目論見なのだろう。
先に王手をかけたジャイアンツにしても、第6戦を落としてダルビッシュが待ち構える7戦に持ち込まれると、劇的なサヨナラでつかんだシリーズの流れをファイターズにさらわれてしまうことになる。原監督がシリーズを通じて言い続けたように「一戦必勝」のゲームである。
1回裏、4番高橋信の放ったピッチャー返しがG先発東野の右手甲を直撃した。東野は当たった打球を追うこともできずその場にうずくまるほどで、即交代。2死ながら1・2塁で緊急登板のマウンドに上がったのは内海だった。ジャイアンツは当初から東野は早い回での交代もあると早くから内海に準備をさせていた。とはいうものの先発投手が初回にいなくなるという緊急事態は序盤でゲームを決することにもなりかねない。ところが内海は一球でスレッジを打ち取り、緊急事態を見事に抑える。
直後の2回、ジャイアンツの打者は並々ならぬ強い気持ちと集中力で打席に入っていた。先発投手の緊急降板という非常事態にチームが一体となったようだ。2塁打で出塁した亀井は、谷投ゴロで捕球した武田が一塁へのスローイングに入るや否や3塁にスタートを切った。武田は走者を確認したものの、目線を切るのが少し早かった。このミスともいえない僅かな隙を突いたプレーが阿部のフェンス直撃先制打を呼んだ。
一方のファイターズは武田勝がその後5回まで3者凡退を続け味方の反撃を待つも4回2・3塁のチャンスに二岡が凡退、5回1死2塁で迎えたクリーンナップも稲葉・高橋と連続三振。そして6回2死ランナーなしから松本が左前安打で出塁、小笠原が右前安打で続くがこのなんでもないライト前ヒットを「足が速い松本を警戒しすぎた」稲葉がファンブル、3塁緒方コーチが右手をグルグル回して松本は一気にホームを陥れた。
しかしここはファイターズのホームグラウンド。ジャイアンツが僅かにリードしているが何が起こるか判らない。6回好投を続けた内海に代わり豊田がマウンドに上がるが初球を小谷野にセンターに運ばれる。鶴岡が安打で続くが二岡がここでも凡退、8回も越智が高橋に粘られた末被安打、制球が定まらないながらもスレッジ・小谷野を連続三振に切って取るが糸井にはストレートのフォアボール。ここで原監督は越智を守護神クルーンにスイッチ。代打坪井をセカンドゴロで打ち取った。しかし最終回、これまでチャンスに凡退していた二岡が初球を二塁打。田中賢2ゴロの間に代走村田は3進、代打稲田が四球を選び同点のランナーが出塁する。1死1・3塁でクリーンナップを迎えるも稲葉三振、高橋もフォーク連投のクルーンから二振を喫し3球目のフォークのハーフスイングを取られゲームセット。試合後原監督は十度胴上げに舞い、それをベンチから見つめる林投手は涙を流していたのが印象的だった。