ライブドアとフジテレビが和解したとの会見があった。
ニッポン放送を巡って両社は、株買収による支配(ライブドア)と公開株式買付による子会社化(フジテレビ)を目指したのだが、ライブドアは発行株式の50%以上を入手してニッポン放送の経営権を握ったにも関わらず、敵対的な乗っ取りではフジテレビの支配はおろか提携協議すら困難が予想され、ニッポン放送自体の資産価値を落としてしまう可能性も高いことから、ホリエモン主戦論ライブドア幹部が抑えたことで損害を蒙らないうちに和解に応じたものと思われる。
ちなみに和解の内容はライブドア保有するニッポン放送の全株式をフジテレビが6300円で買収することで子会社化するとともに、フジテレビが出資してライブドアの増資を行い、さらにメディアの融合を目指す場を設けるというもの。これによりフジテレビは当初予定していた額より多額の資金をつぎ込むこととなり、ライブドアはフジテレビ支配を断念するかわりに1000億円の投資に対し1415億円を回収する結果となった。
結局ライブドアは今回の騒動で415億円儲けたわけだが、フジがこの和解に応じずホリエモンの当初の目論見通りの徹底抗戦を仕掛けていれば、ホリエモン率いるニッポン放送はスポンサーや出演タレント離れが生じ、コスト削減のために社員を大量解雇して弱体化し、提携に失敗してニッポン放送を手放すか資産価値を大きく落として損害を蒙り、ライブドアの経営自体も大きく傾いたに違いない。フジテレビは弱みを見せたためにライブドアに食い込まれ、徹底抗戦すれば潰せるライブドアを、安易に妥協して生きながらえさせてしまった。
ホリエモンはもともと、ライブドアなんてもともとなかったものとあくまでフジテレビを支配することを目指して徹底的に戦い続ける意向でいた筈だが、我が身がかわいい同社役員たちの保身論に折れてしまった格好だ。或いはホリエモンにもライブドアに対する執着が芽生えたのだろうか。ライブドアを大きくしてきたのがホリエモンの捨て身の買収劇だとすると、ここに来て保身に回ったホリエモンは命脈が尽きたということになりそうだ。