小泉首相が今日午前靖国神社を参拝したことが大々的に報じられ、予想通り中国と韓国から反発の声が上がっているようです。小泉首相は過去4回靖国参拝を行いましたが、今回は初めて平服で正面拝殿から参拝し、記帳も玉串料の奉納も行いませんでした。際杯方法を変更したところで中韓の反発に変わりはありませんから、これは先日大阪高裁で首相の靖国参拝違憲であるとの判断が示されたことを受けての司法への配慮や、日本国民に向けて参拝の正当性をアピールするための変更だと思われます。
 ところで中国や韓国は首相の靖国神社への参拝に対し不快感を表明しているのですが、その理由は靖国神社A級戦犯が合祀されているからです。であれば戦犯を祀っている宗教法人の存在自体に不快感を顕わにしてもいいように思うのですが、何故中国や韓国は靖国神社の存在や戦犯が合祀されていることを批判するのでなく、首相の参拝を批判するのでしょうか。
 日本の憲法では信教の自由が保障されており、戦犯を祀り上げる宗教法人が存在することは日本の憲法上何の問題もありません。であれば中国や韓国は日本の憲法や信教の自由については理解を示しており、靖国神社の存在自体は認めている、と考えて良いのでしょうか。また、その靖国神社には多くの日本人も参拝しているわけですが、そうした一般の人たちの参拝に対しては不快感を抱いていないのでしょうか。
 中国や韓国の大使館や領事館、日本料理店を対象にした大規模なデモが春頃に起きました。そうした人たちの過激な行動を見ていると、日本に靖国神社という戦犯を祀っている神社があり、多くの日本人がそこに参拝していることも中国や韓国の人たちにとっては不快であるに違いないと思います。ただデモ活動をする自由と戦犯を祀る神社への参拝の自由とでは同じレベルで認められること、と考えているのかもしれません。
 いずれにしても首相の靖国参拝だけを取り上げて不快感を表明する中国や韓国の心情は私には理解できませんし、中国や韓国で反発が起きることがわかっているのに年に一度の参拝を公約や信条として強行する小泉首相の考えも理解できません。ですから参拝を大きなニュースとして報じるマスコミの報道姿勢は奇異なものと思いますし、それに律儀に不快感を示す中国や韓国の態度も同様に奇異なものと感じます。