先週、郵政改革関連六法案が、衆参両院を通過しました。同法案はもともと、衆議院では賛成多数で可決したものの、参議院では反対多数により否決されたのですが、小泉内閣はこれを廃案とせずに衆議院を解散して総選挙を行い、与党自民党の歴史的勝利の末に再度上程され、可決したものです。選挙の際には法案に反対した前議員は党の公認を得られず、しかも党本部から別の公認候補を刺客として擁立されて多くの造反議員が落選しました。衆議院では造反議員は出たものの、一旦は可決されたわけですが、参議院では一部の議員が自民党を離党したものの、前回反対票を投じた議員も今回は賛成票を投じました。彼らはそもそも民営化には賛成だけれども法案に問題があるとして反対票を投じたのですが、今回の法案は民営化に向けた日程のみが変更されただけで、法案の中身は同じものです。にも関わらず衆議院解散総選挙の結果を受け、国民が郵政民営化を支持しているからという理由で、今回は同じ法案に賛成したことになります。だとすると前回は何のために反対をしたのかよくわかりません。郵政法案を廃案に持ち込んで、多くの反対勢力を抱えたまま小泉政権の進める構造改革を妨害しようと考えていたのでしょうか。前回の議決の際は、自民党議員でも苦渋の選択をして賛成に回った議員に較べ、反対票を投じた造反議員たちは意気揚々と反対票を投じていました。彼らにも言い分はあるのでしょうが、私達には自分たちで選んだ党総裁に対し反旗を翻しているようにしか見えませんでした。法案作成のプロが自分の判断で反対したというよりも、単に小泉に好き勝手にさせないぞという嫌がらせのように感じられました。言うなれば内輪もめであり、その後の解散総選挙は喧嘩です。党をうまくまとめられなかった小泉首相が、解散総選挙で強いリーダーシップを発揮したように見えるのも大変皮肉なことです。