■2005年日本シリーズ第一戦 千葉ロッテマリーンズvs阪神タイガース
神 000 010 0 : 1 ○井川−橋本
ロ 100 031 5X:10 ●清水 (7回裏濃霧によりコールドゲーム

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 2005年の日本シリーズは、パリーグ3位から西武ライオンズソフトバンクホークスプレーオフで破った千葉ロッテマリーンズと、セリーグを圧倒的な強さで制した阪神タイガースとで争われます。
 昨年はパリーグ3位からプレーオフ日本シリーズに進出した西武ライオンズ中日ドラゴンズを破って日本一に輝きました。リーグで3位のチームがどうして日本一になるのか一見不思議に思われますが、一年の長いペナントレースと短期決戦のシリーズとでは自ずと戦い方が異なります。早くに優勝を決めてシリーズまで試合から遠ざかっていたチームよりも、つい先日まで短期決戦を勝ち抜いたチームの方に勢いがあるのかもしれません。
 マリーンズの先発は清水直行、タイガースの先発は井川慶と、ともにシーズンでは思うように勝ち星に恵まれなかったエースの投げ合いになりました。マリーンズが今江のソロホームランで先制しますが、タイガースも藤本の犠牲フライで同点に追いつきます。清水が持ち味のピッチングを披露する一方で、井川は決め球の右打者内角へのストレートをストライクに取ってもらえず苦労しているように見えました。タイガースは金本・今岡の主軸が完璧に抑え込まれる一方で、マリーンズは西岡の盗塁失敗直後に今江がセーフティーバントを決めたりと変化に富んだ攻撃を見せているように思えました。特に6回無死ランナー1塁の場面で、西岡がノーサインで野手の動きを見てプッシュバントを決め、無死1・2塁としてみせた場面が決定的だったと思います。
 井川は5対1のスコアで6回までで降板、7回のマウンドを新人橋本に託しますが、東京湾で発生した霧がグラウンドに流れ込む中、3ランHRと2ランHRが飛び出し10対1となったところで線審が外野スタンドが見えなくなるほどの濃霧のためゲームを中断、霧は晴れる気配もなく7回濃霧のためコールドゲームとなりました。
 試合の大勢は決まった状態でしたので納得のコールドでしたが、タイガースは主軸である金本・今岡の当たりがなく、両チームとも自慢の中継ぎ陣を温存したまま初戦は終わりました。阪神の主軸、そして両チームの中継ぎ陣の仕上がりがシリーズを左右することは間違いなく、シリーズ2戦以降の流れもゲーム同様、霧に紛れてまだ見えません。