宮城県仙台市の光が丘スペルマン病院から生後11日の乳児が誘拐された事件は、借金を苦にした加害者が身代金目当ての犯行である事が明らかになってきました。犯人が誘拐した乳児を丁寧に扱っていた点も特異でしたし、身代金の入手を諦めた時点で子どもを返したことも不幸中の幸いでした。ちなみにこの犯人は幼稚園のPTA会長を務めた経験があるなど、子どもに対して理解と愛情のある人物だったようです。
 誘拐当初から犯人は病院に恨みがあるようなことを匂わせていましたが、実際には犯人と病院間にトラブルはなく、親戚が病院を訪れた際に対応が悪かったので標的にしたと述べています。病院にしてみればいい迷惑ではありますが、些細な日常的な業務の行き届かなさが原因で、全国のニュースで対応の悪い病院であるというイメージが植え付けられたことは、病院経営に対して多大なダメージとなったに違いありません。犯人の目的は借金返済のための身代金略取であり、決して病院の評判を貶めることではなかったのですが、仮に犯人が病院に恨みを抱いていたとすれば、そうした方法で病院の評判を損ねることができたということになりそうです。