ライブドアの幹部が任意の事情聴取を受けました。それにしても、ライブドアは社長のホリエモンが33歳で、幹部と言っても38歳だったり28歳だったりする、若い会社です。学生の頃から始めた会社ということですから、幹部が若くても何の不思議もありません。きっと創業期のマイクロソフト社もこんな感じだったのでしょう。けれども優秀な若者が幹部として名前を連ねる組織ということならオウム真理教もそうでした。日本政府と対決すると言っていたオウム真理教と世界一の会社になると広言して憚らないライブドアとが重なって見えてしまうのは私だけでしょうか。
 奢れる平家は久しからずと言いますが、ビジネスの世界は弱肉強食で、かつて隆盛を誇った企業や業種が、何十年か後には左前の自転車操業の末に倒産してしまうものです。いつまでも旧態然とした会社はすぐにビジネスの新しい波に呑み込まれてしまいます。企業の中にも優秀な人はいるのでしょうが、そうした人がなかなか活躍できないのは、その人がビジネスの戦場で戦う前に、会社や幹部と戦わなくてはならないからかもしれません。そうでなくとも、若い人が提案する奇抜なアイデアが、頭の固い上司に潰されてしまうということはよくあることだと思います。
 法律に触れない違法行為ギリギリの手法というものも、それを若い人が提案しても会社はそれを認めようとはしないでしょう。若い人は挑戦者として何も失うものがなくとも、会社はリスクを回避しようとします。普通の会社ではそういう歯止めが利く一方で、若いライブドアではそうした歯止めはありません。だからこそ思い切ったことができるし、現行上の法律では規制されない方法なら、それで通ってしまう。
 この三日間でライブドアと関連企業は、株価の低落により時価総額が半減したそうです。元がゼロだったのだから、リスクは何もないですよとホリエモンならさらりと言ってのけるかもしれません。低落した株価も、また取り戻せば時価総額は元通りになると楽観しているのかもしれません。けれどもライブドアとの提携を進めていたフジテレビや西京銀行は、提携関係の見直しをすると報じられています。運悪く、ライブドアの子会社となったセシールは予定されていたライブドア幹部の社長就任が白紙になりました。ライブドア単体の株価が元通りになったとしても、一度失った信用はなかなか取り戻せるものではありません。取り戻せるどころか、強制捜査が入った時点で、既にホリエモンライブドアには最後通牒が下されていたのではないでしょうか。