■もともとWBCがアメリカのメジャーリーグを盛り上げるための前座に過ぎないという批判があります。メジャーリーグの最強チームを決める戦いは実際にはアメリカシリーズであるにも関わらず何故かワールドシリーズと呼ばれています。国際試合の勝者がアメリカで、そのアメリカで行なわれているベースボールが世界一の野球リーグシリーズだと言いたかったのでしょう。
 その為にアメリカは、予選リーグを抽選による組み合わせでなく、強敵と目されるドミニカとキューバとは別の地域別の組み合わせにしてしまいました。
 さらに審判についても第三国の審判でなく、メジャーリーグの審判を務めるアメリカの審判が、自国チームの対戦でも審判を務めるという、他の国際競技では考えられない方式を採用することとなりました。
 また予選での対戦成績が同じチームは得失点差ではなく失点率上位のチームが選ばれるというルールにも批判があるようです。ただ野球にはコールドゲームやリードしている後攻めチームは最終回裏の攻撃がありませんから、一概に得点ではチームの優劣を決められないということだと思います。
 オリンピックの正式種目から野球が外されたということが、野球の国際大会を行なう最大の動機になったことは間違いありません。ですがこうしたルールを決めた開催国が、自国に有利な組み合わせや試合方式を採り入れているようでは、逆に国際化を阻害してしまいます。