埼玉県ふじみ野市の市営プールで小学二年の女児が水死した流水プールでは、本来ネジ止めされているはずの柵が針金で固定されていたことが明らかになりました。工事を行なった業者の説明を聞くまでもなく、本来の取付方法から逸脱した取り付け方では設計通りの安全性は確保できません。事故が起きた際の対応がまずかったばかりでなく、事故を誘発しやすい状態で放置されていたのです。
 さらに市から市営プールの管理を委託されていた業者は、下請けに丸投げしていました。下請けに仕事を出す場合には予め市から承認を得なければなりませんが、この業者は市に届けを出していませんでした。
 事故が起きた際のマニュアルが策定されていなかったこと、事故が起きた吸水口の柵が正しく取り付けられていなかったこと、管理業務を委託していた業者が定めに違反していたこと、こうしたことが事故が起きて初めて明らかになったのですが、それでは市はこれまでこのプールの何を管理してきたのでしょうか。民間活力の導入が、市民の命を脅かすレベルにまで市民サービスの低下を招いたことは明らかです。