政府主催のタウンミーティングにおけるやらせや適切でない資金拠出が明るみに出たことを受け、安部総理など現行の閣僚が給与を返納することとなった。当時の閣僚でなく現行の閣僚が責任を取るという「ちくはぐなけじめ」となったことについて、タウンミーティングに当時の文部科学大臣として出席したことのある小坂憲次衆議院議員は、テレビ局のインタビューに対し「知らない、報告を受けていない」と答えていた。
現職閣僚が閣僚給与を返納することについては法的規制はなく、一方国会議員が歳費を国庫に返上することは公職選挙法の「公職の候補者等の寄付の禁止」に抵触することになる。従って現職の閣僚が給与を返納するという形で引責することはできても、現在は国会議員である前大臣は同じ方法を用いることはできない。また、文科省内で想定問答を地元教育委員会に依頼する件については当時の大臣には報告されていなかったとされている。
従って小坂前大臣が当時やらせがなされていたことについて「報告を受けていない」ことは事実であるかもしれないが、自身の出席したタウンミーティングでやらせが行われていたことは国会でも取り上げられていたことであり「知らない」というのはあまりにも無責任な発言であり態度である。さらにテレビ局のインタビュアーは首相や現行の閣僚がけじめをつけたことについての感想を当時の大臣に求めたのであって、その答えが「知らない、報告を受けていない」では困る。大臣時代の不祥事に対し、自分が無関係だとでも言いたいのだろうか。恥を知ってほしい。