3月、山梨県警の捜査資料が入ったUSBが新聞社に送りつけられた事件は、同僚警察官による窃盗でした。今度は愛知県警で、警部補が3年前に大学生の息子に譲渡したパソコンの中に、削除したつもりで残っていた捜査資料の一部がファイル交換ソフトウィニーを通じて流出するという事件が起きました。
 さすがに犯罪による情報漏洩や3年前のうっかりミスも防げというのは酷な要求かもしれません。けれども3月に入って導入を決めた暗号化ソフトのような、事前の対策を怠っていたことのツケが回ってきたと言えるのではないでしょうか。また未然に事件・事故を防ぐ危機管理意識の低さは、犯罪が起きてから捜査を開始する警察的体質から来るものなのかもしれません。
 その一方で日本は古くから情報を軽視し管理に対する甘さがあったようにも思います。ゾルゲ事件もそうですし、太平洋戦争でも日本海軍の暗号はアメリカにことごとく解読されていました。また重要機密事項であるはずの次期攻撃目標について、ミッドウェー海戦前に国内ではその噂が公然と囁かれていたと言います。