久間防衛庁長官…ではなく防衛大臣が、千葉県の麗澤大学の講演の中で、「アメリカの原爆投下はしょうがない」と発言したことが問題視されています。爆弾発言ならぬ原爆発言と言ったところでしょうか。
そもそもどうしてそのような話題になったのかは判らないのですが、文脈としては「長崎に落とされ悲惨な目に遭ったが、あれで戦争が終わったんだという頭の整理で、しょうがないなと思っている。それに対して米国を恨むつもりはない」という話だったようで、補足として「日本が負けると分かっているのにあえて原爆を広島と長崎に落とし、終戦になった。幸い北海道が占領されずに済んだが、間違うと北海道がソ連に取られてしまった」という紹介をしたようです。
ところでその発言の何が問題なのかと言えば、どのような事情があろうとも原子爆弾をはじめとした核兵器は使用してはならないものであるにも関わらず、アメリカの事情を紹介してそれを現職閣僚がしょうがないと肯定している点です。
これに対し久間大臣は原爆を落とすのを是認したのでなく、ソ連の意図や米国が原爆を落とすことを見抜けなかった判断ミスを含めての当時の日本政府への批判が真意だと釈明しています。さて久間大臣は、原爆投下が許されないものであることはわざわざ言わなくとも大前提であるとして省略したのでしょうか。だとしても、それを省略したうえで「しょうがない」「恨むつもりはない」と発言したのですから、誤解を招く不用意な発言であったことは間違いなく、閣僚以前に政治家として不適切な発言であったことは間違いありません。