自民党総裁福田康夫氏が選出され、福田内閣が発足しました。臨時国会会期中ということから前の安倍内閣のほとんどの大臣が再任され、18人の閣僚中新任は4人と最低限の入れ替えとなりました。意外だったのは収支報告書への記載ミスを指摘されていた鴨下一郎環境大臣と収支報告書未記載や献金疑惑が指摘されていた若林正俊農林水産大臣が留任したことです。この二人(さらに言えば高額の事務所経費を指摘されている伊吹文明幹事長人事もそうなのですが)は真っ先に入れ替えの対象となるだろうと思っていましたので、私にとっては大変なサプライズでした。
政治とカネの問題は福田内閣の大きな政治テーマの一つであり、安倍内閣同様に閣僚の不祥事が起きれば支持率低下に繋がりますし、辞任が相次ぐようなことがあれば内閣の命運を左右しかねない重大な問題です。またこれまでのように単に総裁を代えるだけでは済まず、そのまま衆議院解散総選挙となれば与野党逆転政権交代も起こりかねない状況ですから、これまで以上に閣僚の「身体検査」には危機意識強く求められる組閣であった筈です。そこに何故疑惑を持たれた閣僚が引き続き名前を連ねることができたのか疑問です。
疑いのある閣僚であれば、清廉潔白な有力政治家に入れ替えることができるならそれに越したことはない筈です。ところがその有力な自民党政治家は誰もが叩けば埃が出てくる恐れがあるなら、新たな閣僚の新たな不祥事で大きなダメージを受けるよりも、既に判明している疑惑の閣僚を再任する方がダメージは少ないと考えたのかもしれません。