大相撲時津風部屋で17歳の力士が変死、愛知県警が捜査に乗り出したことを受け、相撲協会北の湖理事長は当初、「警察の捜査結果を見て処分を検討する」としていました。この事実解明を警察任せにし、結果をみて関係者だけを処分すれば良いといった協会の調査・改善に消極的な態度を疑問視していたのですが、協会の財団法人格の管轄官庁である文部科学省北の湖理事長を呼び出し、問題についての独自調査、関係者の処分、再発防止策の検討など5項目の改善要求を突き付けるという事態に至りました。福田内閣発足直後というタイミングも影響しているとは思いますが、あまりに腰が重く現実的な対処ができずにいる相撲協会に、腰が重い官庁も動かざるを得なかったということではないでしょうか。
このところ横綱朝青龍の仮病問題や7月名古屋場所での新弟子検査受験者が史上初めてゼロ人に終わるなど、大変おかしな状況になってきているように見えます。朝青龍の一件にしても、私には朝青龍個人の態度よりも指導やバックアップなしにまず処分ありきという協会の対応は間違っているように思えてなりません。
ただしこうした凋落は今になって始まったことでなく、常に八百長疑惑がささやかれていますし、93年3月に初の外国人横綱曙が誕生して以降、6人誕生した横綱のうち日本人で横綱に昇進したのは貴乃花若乃花の2人だけで、2000年3月若乃花が引退して以降、7年間も日本人横綱がいないという状態が続いています。外国出身の横綱が良くないと言うつもりはありませんが、おかしな状態がずっと続いて一向に改まらないのは如何なものかと思います。
これは恐らく古い体質の協会が現状に対処しきれていないということが問題だと思うのですが、そもそも協会に危機感がないというのが最大の問題なのかもしれません。

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