安倍前首相の提唱により設置された政府の「『美しい国づくり』企画会議」に約4900万円の国費が投入されていたことが16日に明らかになりました。同会議は12人の有識者によるメンバーで構成され、これまでに開かれた会議は4月3日と5月30日の2回で、会議の詳細は首相官邸HPに紹介されています(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/utukusii/index.html)。
これまでの実績は、「美しい日本の粋(すい)」と題された日本特有の生活様式や気質を問うアンケートだけで、安倍首相の突然の辞任によりこの企画がこの先どうなるのか不明ですが、これまでの経費が職員9人の人件費約1600万円/事務所費約3100万円/通信・交通費約200万円ということですから、首相の提案でこうした無駄遣いが許されて良いのかという気がしてしまいますし、福田首相も「会議をやっただけでそれだけというのはちょっと高すぎる。高すぎるということは無駄だということだ」と記者団に述べたということです。
もっとも同会議は解散したわけでも空中分解したわけでもなく現在も継続中ですから、経費の全てが全く無駄というわけではないのでしょうが、「高すぎる」との福田首相の批判はもっともだと思います。それでなくとも昨年12月に政府主催のタウンミーティングにおける不適切な支出が問題になった教訓が、どうして官邸では活かされることがなかったのでしょう。結果的には安倍前首相が政権を放り出したことでこの企画会議も経費の無駄遣いになってしまった訳ですが、そんな首相には早くやめてもらってこれで良かったのかそれとももっとやってもらった方が良かったのかどちらとも言えません。おそらく彼が首相になったというのがそもそもの間違いの元だったということではないでしょうか。