ekiden_racer2007-11-26

Yahoo!japanニュースで【<エスカレーター>横浜地下鉄「歩かないで」構造上想定外】という毎日新聞の記事が紹介されていました。この秋から横浜市営地下鉄で全駅に「エスカレーターは歩かないでください」というポスターを掲示しているというニュースです。記事には他に『国土交通省によると、エスカレーターの構造はもともと、利用者が歩くことを想定していない』とか『消防庁は「エスカレーターは歩くとバランスを崩しやすく、他の利用者と接触する恐れがある。歩くことは避けるべきだ」と指摘する』とも紹介されています。
実際にけが人の通報を受ける消防庁エスカレーターを歩く危険性を指摘するというのはよく判るのですが、国土交通省によるコメントがよく理解できません。というのはエスカレーターが歩くことを想定していないのだとしても、現状として想定外の利用が広まっていることによる危険性を全く想定していないかのような口ぶりです。またエスカレーターが歩くことを想定していないとしても、構造上歩くことが可能であるばかりか、階段と似ているが故に利用者に歩くことを促している形状であると言っても過言ではないからです。これは「構造上想定外」なのではなく、設計者の利用法についての想像力が不足による「設計ミス」と言うべきではないでしょうか。
これは省庁お得意の、危険性を指摘されながら看過して被害の発生と広がりを放置する「無作為の作為」ということなのでしょうか??

エスカレーターでの想定外の利用法が蔓延しているのであれば、想定外の利用ができないような構造に設計変更すれば良いのです。エスカレーターの段差が最大になった時点で横向きの転落防止用のバーが立ち上がるようにすれば、歩くこともできなくなります。
或いはエスカレーターを二本並列にして設置するか、真ん中に手すりを設けて左右に分けて、一方を立ち止まって乗るエスカレーター、もう一方を歩いて乗るエスカレーターにするという方法もあります。
現状がまずいのであればそのように構造上安全な方策を講じなくてはならず、ポスター掲示などの呼びかけはそれまでの暫定的な処置としておかなくてはなりません。

関連《エスカレーター》
2007-10-17 エスカレーター事故・小3男児が重体