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【事故概要】
24日午後6時過ぎ、東京都練馬区の外環自動車道で走行中のマイクロバスのドアが開き、道路に転落した小学5年の男児が隣の車線を走ってきたトラックにはねられ死亡するという事故が起こりました。マイクロバスに乗っていたのは埼玉県の少年サッカーチームの小学5・6年生24人で、引率のコーチがマイクロバスを引率していました。
【ドアの仕組み】
マイクロバスのドアは車体側面にあるスライド式で、ドアのハンドルレバーを回し一旦内側から外側に押し出して(外から開ける場合は逆に手前に引き出す)から後方にスライドして開きます。ドアにはロックがついているほか、ドアの開閉を「自動」と「手動」に切り替えることができるようになっています。「自動/手動」の切り替えレバーがドアの近くについており、ドア開閉が「自動」になっている場合はドアの開閉は運転席でのみ行われ、ドアのロックを解除しても手動でドアは開かない仕組みになっています。
【事故原因】
- ドアロックが掛かっていなかった
- ドア開閉を手動位置にしたまま走行していた
- 走行中のマイクロバスの車内で乗員が席を立ちドアに触れた
- 走行中のバスからの転落であったために隣の車線を並走していたトラックはこれを避けることができなかった
【考察】
クリスマスイブの夜に起きた大変不幸な事故でした。ドライバーがドア開閉の切り替えレバーを手動の位置にしたままドアロックをしなかったことが事故の責任として問われているようですが、逆にマイクロバスの使い方として停車中に利用者が自由に出入りできるようにレバーを手動位置にしておくというのは自然なことであり、それを走行時に切り替えを忘れたまま出発してしまうということは十分に起こりえることだと思います。
転落した児童は、車内で転がったサッカーボールを取るために席を立ち、ドア付近に転がったボールを取る際にドアについていた開閉ノブに手を触れたものと推測します。重いドアの開閉をしやすくするためにパワーアシストもついていたかもしれません。ノブに軽く手を触れて、開いてしまえば走行中のバスのドアは勢い良く開いたのではないでしょうか。
さてこのドアノブは開閉方向に向けて、ドアを開く時には縦方向になるように設計されています。ドアを閉じている時には水平方向になっています。ですのでこのドアノブを下方に倒して開くという方式になっていたことが、隠れた事故の最大原因ではないか、と推測します。仮に水平方向のドアノブを引き起こして開くことになっていたなら、仮に走行中に人がドアノブに手を触れてしまっても、不用意にノブが回ってドアが開くということにはならなかったでしょう。
走行中の車内では席を立たないことは安全の為の基本であり守られなくてはならないルールではあるでしょう。それでも集団での移動に使われるマイクロバスで、特に気心の知れた子どもたちのグループが移動する際には、そうした移動が走行中に行われることも考えられますし、今回のように車内を転がったものを取るために移動するということもあります。またドアノブの回る方向を改めるということは、新しいセンサーや機構を使うことなく、簡単にできることのように思います。ドアノブは押し下げて横に開くのが人間の動きとしては自然であるかもしれませんが、不用意な操作を防ぐために逆に引き起こして開くという方式に改める方が良いように思います。
今回の事故に関しては、ドアの開けやすさを優先した結果安全性が損なわれることになったという、設計ミスにあたるのではないか、と私は思います。
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