ekiden_racer2008-01-30

千葉県市川市の家族5人と兵庫県高砂市の家族3人が、中国製の冷凍ギョウザを食べて下痢や嘔吐などの食中毒症状に陥り、千葉県の5歳女児は一時意識不明の重体となっていたことが判りました(厚生労働省の発表では千葉県7人と兵庫県3人の計10人)。問題の商品はジェイティフーズが輸入した「CO-OP冷凍食品・手作り餃子」と「手包みひとくち餃子」です。
ギョウザやパッケージ袋の内側から有機リン系農薬の「メタミドホス」が検出されました。ジェイティフーズはこの商品と同じ中国河北省の天洋食品で製造された23品目の自主回収を始めました。
メタミドホスは国内無登録農薬であり、メタミドホス残留農薬違反事例は中国からの輸入食品を中心に04年に6件、05年に2件、06年に15件、07年に6件明らかになっています。メタミドホスはかなり毒性の強い農薬ですが、通常は基準値を超える残留農薬では今回のように急性で強い中毒症状が出るとも考えにくく、製造・流通過程での混入の可能性も考えられます。
またこの中毒事件が起きたのは昨年12月28日であり、それが明らかにされ商品回収に踏み切るまで1ヶ月を要しているのは時間が掛かりすぎているように思います。中毒原因の特定に時間が掛かったのであるならやむを得ないとしても、その間にも同一商品が店頭で販売され、多くの人が口にしていました。一部の商品が汚染されていただけだったことから「かろうじて事なきを得た」のであって、もっと大規模に汚染されていたらどうなっていたか…と思うとゾッとします。

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