ekiden_racer2008-02-07

エイベックス所属の歌手、倖田來未さん(25)が先月30日、ラジオ番組オールナイトニッポンの中で「35歳を過ぎると羊水が腐ってくる」と発言したことが失言としてクローズアップされ、レコード会社自らがアルバムの宣伝・活動を自粛、出演していたCMも放送が取りやめとなり、既に収録されていた番組が放送されないなど大きな影響が出ました。またそうしたニュースはスポーツ新聞やネットニュースなどで大きく取り上げられていました。
芸能事務所は当然のことながら所属タレントの不祥事を嫌がります。悪いイメージがタレントの商品価値を下げてしまうからです。そして大きな芸能事務所はタレントの不祥事が起きたときには、マスコミ各社に協力を依頼し記事にするのを控えてもらうとか、逆にマスコミの側が芸能事務所の顔色を伺うように報道を控えることが普通でした。ですのでちょっとした不祥事であれば、大手マスコミからは黙殺されることも珍しくありません。ですので今回の倖田來未騒動はこれまでの芸能人不祥事と違って、少々奇異な印象を受けました。
エイベックスは多くの人気タレントを擁する芸能事務所であるだけでなく映像・音楽メディアの製作までも引き受ける総合エンタテイメント企業です。ライバル企業がより大きな影響力を持っている場合には、大手の芸能事務所であってもバッシング報道がなされるといったことはあるでしょう。けれどもエイベックスは吉本興業アミューズホリプロジャニーズ事務所と並ぶ大手芸能事務所であり、バッシングを抑えることはあっても本来ならバッシングをされる側に回ることは考えにくいのです。
不可解なことはこれだけではありません。エイベックスが騒動が起こるとすぐに謝罪し対応に当たるなど、失言であることが明確になったラジオ番組は収録であり、事前に容易にチェックすることも可能でした。さらに実際に放送されて問題になったとしても、深夜のラジオ番組でありやりようによっては騒動を小さく抑えることは可能であった筈です。
だとすると考えられるのは「社内での倖田來未スタッフに対する反感が大きく、会社として倖田來未を擁護するということをしなかった」とか「失言を大きくクローズアップし、後に見事な謝罪を演出することによってCM効果を狙った」といったことです。
そんな中、フジテレビのニュース内で倖田來未さんの謝罪会見が独占報道という形で放映されました。いつものような派手なメイク・衣装でなく別人のような倖田さんが涙を流して謝罪をするという演出です。これまでテレビに出ていた彼女とは全く違う彼女が、どのように受け止められたのか興味があるところです。ネットを中心としたバッシングに対し、逆に大げさに対応してみることで騒動の火を消そうとしているのではないか、というのがこれまでのところの私の見立てです。この失言で倖田來未の商品価値が低下するのか、それとも謝罪により株を上げるのか、これまで個人的に興味がなかった今後の彼女の活動に興味が出てきてしまいました。

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