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11日に、デパートや駅のトイレなどに設置されているおむつ交換台で乳児が転落する事故が「大手メーカーが公表した9件」のほか「都内だけで約20件の事故が発生している」ことがわかり、「都内の発生状況からみて全国では100件以上の事故が起きていると推計される」とニュースで大きく報じられました。
この事故に関しては「製品自体に欠陥があるわけではなく、大半の事故は保護者の目配りで防止できるはず」という見解が経済産業省製品安全課から示されている一方で、現在販売されている製品は転落防止のため縁を高くしてあるという改良が加えられていますから、旧来の縁が低いタイプの製品は潜在的に危険がある製品ということになるようです。ただし現在のものも縁が高くなっているとは言え、赤ん坊の転落を防止するには十分かというと、各社製品を見た限り不安が残ります。あくまでも「おむつ交換台」であって、ベビーサークルではないためなのかもしれません。
おむつ交換台はベビーサークルとは違い、おむつ交換のための作業台に過ぎません。作業がしやすいよう床から70〜80センチ程度の高さに設置されていますので、活発な赤ちゃんだと足で蹴るなどしてずり上がり、頭から転落する恐れがあります。交換台には作業用のベルトがついていますが、これもあくまで作業の補助を目的としたものであり、子どもを固定して置いておくためのものではないようです。
おむつ交換台のほかにベビーチェアが備えられていれば、おむつ交換台を子ども置き場として使われることも少なくなるでしょう。またベビーサークルがあればそれで済むのですが、恒常的に場所を食うサークルより壁面に折りたためるおむつ交換台の方が重宝がられるのも良く判ります。
通商産業省はメーカーを通じて販売先への警告ステッカー配布を徹底するよう指導しています。報道ではこのステッカーが十分に活用されていないとの批判もありました。確かに「赤ん坊から目を離すな」「赤ん坊を放置するな」そしてオムツ交換台の危険性を周知させることで防げる事故ではあるのかもしれません。けれどもそうした「ちょっとした油断」で赤ん坊が転落して頭の骨を折ったケースもあるということになると、対策が「ステッカーによる周知」で十分なのかとの疑念は残ります。
余談ですが、私が幼い子どもと一緒に障害者用トイレを使用した際、子どもの鞄をおむつ交換台に置いていた時のことです。男性である私がついでに用を足そうと、おむつ交換台に背を向けている間に、交換台の上に置いた鞄を取ろうとした子どもが頭を台の角にぶつけてしまいました。かばんにばかり注意が向いて、台の角に気づかなかったのです。事故というものは往々にして、このように思いもかけない形で起こるものだと思います。
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