ekiden_racer2008-02-28

【日中捜査当局が見解で対立】
中国公安省は28日、中国製冷凍ギョーザ中毒事件で「有機リン系殺虫剤メタミドホスが中国国内で混入した可能性は極めて低い」との見解を発表しました。
先立つ21日、日本の警察庁長官は「日本国内で混入した可能性は低いと考えている」との公式見解を示しており、日本と中国の捜査機関の主張は真っ向から対立しています。同じ事件を異なる国の異なる組織が捜査していることが原因究明と事件解決の障壁となりつつあるようです。
【中国製製品に対する不信感は拭えず】
中国製製品に対しては、これまでも外国で医薬品やペットフードに毒性物質が混入していた例があり、疑問の目が向けられていました。それが今回の冷凍ギョウザ中毒事件で決定的な不信に変わりました。
中国政府は厳しい態度でそうした中国製製品に対する不信感をなくそうという姿勢を見せていました。けれども今回の公安省の見解は、そうした姿勢とは少々態度が異なるように思います。
【不信感を増幅させる中国公安省の態度】
日本の中国製食品に対する不信感は、冷凍ギョウザ中毒事件が解明されても容易に拭えるものではないでしょう。それでも事件の解明は中国製製品が実際に高い安全性を確保し、信頼を得るためには欠かせない第一歩となる筈です。解明が難しい事件であることは事実なのかもしれません。けれども中国側が率先して解明していくという態度を示さないようでは、中国製品に対する不信感を増すばかりでなく中国という国の評価に対しても悪い影響を及ぼすだけであるように思います。

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