ekiden_racer2008-03-04

警察庁は自転車の子どもの3人乗りが現状黙認状態にあり、事故が多発していることから自転車の3人乗りを禁止行為として明記する予定でいました。ところがこれに幼稚園・保育所に通う親から自転車の3人乗りを認めるべきだという意見が多いことから、自転車業界に安全な3人乗り自転車の開発検討を依頼し、安全性が確認できれば認める方針に転換しました。
自転車の二人乗りは道路交通法で禁止されていますが、都道府県公安委員会規則により6歳未満の子どもを幼児用座席に乗せることは認められています。さらに東京都と新潟県では運転者が子どもを背負う形であれば3人乗りも可能であるとされています。
自転車は転倒の可能性があり、乗っている子どもが頭部を打ち付ける可能性があります。ですので二人乗りであっても子どもはヘルメットを着用することが好ましいことは言うまでもありません。
3人乗りとなると、二番目の幼児用座席はハンドルに取り付けられる形になります。この際、ハンドルと前輪に重量が掛かることでハンドルが取られ、転倒の可能性が高まります。さらに実際にはさらに荷物を持って運転することもあるでしょうから、危険極まりない乗り方であることに変わりありません。
ただ、三人乗りの禁止明記化に対し、母親が「それでは幼稚園への送り迎えはどうすればいいのか」と反発し、むしろ従来の規制を緩和して3人乗りを認めて欲しいと言うのは安全性を無視した非常識極まりない主張であると思います。警察庁の方針に沿って言うなら、「安全に3人が乗れる自転車を開発し、さらに自治体にはその購入補助やレンタルなどを求め、広く使うようにしたい」とか「自転車に代わる移動手段を確保して欲しい」と言うべきであり、危険なものをそのまま認めて欲しいという主張は、子どもの親として間違っていると思います。
これまで3人乗りをしてきた母親は、「これまで事故はなかった」とか「このように3人乗りをしなくてはならないのもあと数年」であるといった強い正常性バイアスから、現状維持を求めているに過ぎません。実際に転倒し、大事なお子さんが頭に重大な損傷を負うようなことになれば、それこそ取り返しがつかないのです。経済的にも軽自動車の導入は無理だと考えていたとしても、逆に子どもの致命的な事故を防げるのなら軽自動車の購入費用は決して高いものだとは思いませんし、本当にその軽自動車ですら個人的に導入をするのが無理だというなら、もっと真剣に危険な自転車の3人乗りの代替法を求めるべきだと思います。