ekiden_racer2008-03-06

「ブレーキとアクセルを踏み間違えて店舗に突っ込む」というニュースが連日のように報道されています。言うまでもなくアクセルを踏むつもりでブレーキを踏んだ場合には(追突されることはあるかもしれませんが)そのように暴走することはありません。ですが、実際には暴走事故にまでならなくとも、日常的に多くの人がそうしたヒヤリハット事例を経験しているのではないかと思います。
私は免許取得以来、ブレーキとアクセルを踏み間違えたという経験がありません。別に自慢をしているわけではなく、マニュアル車にしか乗ったことがないからです。マニュアル車ではブレーキを踏む直前に、左足でクラッチを踏み込むという動作を必要とします。もしそこでブレーキと間違えてアクセルを踏み込んでも、エンジンは吹け上がるだけで駆動力はタイヤに伝わりません。つまりマニュアル車は、ブレーキとアクセルを踏み間違えにくいうえに、万が一ブレーキとアクセルを踏み間違えても暴走することができない構造になっているのです。
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私は、オートマチック車はマニュアル車のようにクラッチ操作やギアチェンジを必要としないので、安全確認やその他の運転操作に集中することができるのでより安全性が高いと考えています。けれども人間が操作する以上どこかでエラー操作を起こしてしまうことは避けられず、その中でブレーキとアクセルとを踏み間違えるということも起こり得ます。そしてその小さな操作のエラーが、結果として重量一トンを超える金属の塊を暴走させてしまうことがあるというのが自動車運転エラーの怖いところです。
またエンジン音を小さくしキャビンの遮音性を高めていることも、ブレーキとエンジンの踏み間違えた時に、音の情報として耳から人に知らせるフィードバックを遮断していることに繋がっています。間違ってアクセルを踏んでいるということを、エンジンの音で気づけば反射的にアクセルから足を離すこともできるでしょうが、踏み間違いに気づず慌ててブレーキを踏み込んだつもりでアクセルを吹かしてしまうのです。
つまり「静か」なエンジンのオートマチック車は、ブレーキとアクセルの踏み間違いを防止する構造になっていないだけでなく、踏み間違いが起きたときにさらに暴走させてしまうという構造を抱え込んでいる、危険な乗り物でもあるのです。