ekiden_racer2009-03-23

ロバーツの先頭打者HRで幕を明けた日本vsアメリカの準決勝。3番ロリンズのセカンド後方へのフライをショート中島とセンター福留がお見合いするような形でヒットにしてしまうなどバタバタしたが、松坂は何事もなかったかのように後続を打ち取った。ドジャースタジアムは序盤風が強く、ライト方向への打球は風に乗って飛び、レフト方向へのフライは風に押し戻される。初回ロバーツのバックスクリーンへのホームランはセンターへの平凡なフライに思えたが伸び、2回デローサのレフトへの高い打球の方が遥かに当たりが強く、四球後にツーランを打たれたかと一瞬ひやりとさせられた。
2回裏、先頭稲葉への投球は3ボールとなり、2ストライクまでカウントを戻すものの四球。小笠原への投球も1-3となったところでエンドラン。小笠原は低く難しい球を見事にレフトに弾き返し無死1・3塁とチャンスを作る。福留のレフトへのフライは浅くタッチアップできなかったが城島のライトへのフライは十分な飛距離で同点に追いついた。ところが3回表、2死後ロリンズ・ライトに連打を浴び再び勝ち越されてしまう。
4回裏には稲葉・小笠原の連打に福留のライト方向への強い打球はセカンドのエラーを誘い、ボールがライトに転がる間に2-2の同点。城島は3ボールからライトへ犠牲フライを放ち逆転、岩村は初球をライトを破る3塁打で4-2、川崎がヒットで続き一気呵成の5-2、調子が戻らないイチローのショートへの当たりは川崎のスタートとバウンドの高さでダブルプレーは免れたが、中島は3ボールからのストレートを狙い澄ましたように右中間へ打ち返す2累打となり、川崎が生還し6-2。ここでアメリカは先発オズワルドをあきらめグラボウにスイッチ。日本はこの回打者9人で5点を挙げるビッグイニングとなった。
7回表、田中が二死後3塁打を打たれるも4番ライトをワンバウンドになるフォークで三振で切り抜ける。その裏、アメリカはソーントンが日本を三者連続空振り三振に切って取ると、8回表替わった馬原から一死後ブラウンが2塁打、7番マッキャンがねばって四球を選ぶとデローサが3塁線に2塁打を放つ。青木がクッションボールの処理を誤り2者生還のうえに打者は3塁に進み、6-4と2点差に迫られピンチを迎える。ここでリリーフとして名前の挙がっていたダルビッシュが登板か?と思ったが原監督は馬原を続投させる。この馬原続投はこの試合の最大のポイントではなかったかと思う。馬原はロンゴリアを三振、1番ロバーツを投ゴロに打ち取り2点差に抑える。
8回裏、四球を選んだ福留に代走片岡、城島が送り岩村セカンドゴロの間に片岡は3塁に進塁。川崎のショートへの深いゴロをジーターの送球が高くなりセーフ、片岡が生還し待望の追加点が入る。川崎はイチローの2球目に2盗を決め、イチローがライトへタイムリーを放つ。さらに3番中島の飛球が右中間に落ち、普通に処理していれば1・2塁で済むところをライトのダンが目測を誤ったか後逸。或いは8-4となった時点で既に戦意を喪失していたのかもしれない。この隙をついて一走イチローが快足を飛ばしホームイン。スコアはついに9-4の5点差となる。
点差がついたためか或いは休養を考えてか、日本の9回のマウンドは藤川でなくダルビッシュ。一死後3番ロリンズにヒットを打たれるも4番ライト5番ダンを連続三振に切ってゲームセット。

  • 米国 1 0 1 0 0 0 0 2 0 :4
  • 日本 0 1 0 5 0 0 0 3 X :9

スコアだけをみると適時に同点・逆転・追加点を挙げた楽なゲームに見えなくもないが、立ち上がりに先頭打者HRを食らい同点に追いつくもすぐに逆転され、しかも終盤には4点の安泰リードを追いつかれそうになるという緊張感に満ちたスリリングな試合だった。特にアメリカは第2Rでプエルトリコ相手に9回逆転サヨナラ勝ちを収めているだけに、8回のアメリカの攻撃には誰もが「またか!」と思ったに違いない。