天窓から落下

8日午前10時30分頃、鹿児島県霧島市の陵南小学校で、3年男児(8)が屋上の天窓を突き破り、3階廊下に落下し、頭蓋底骨折の重傷を負うという事故が起きました。
学校の屋上や渡り廊下にある天窓から児童・生徒が落下するという事故は全国で頻発していましたが、2008年6月、東京都立杉並第十小学校で小6男児が天窓から1階ホールまで落下して死亡した事故をきっかけに、学校の天窓の安全対策が進められていました。どうして一昨年の死亡事故の教訓が生かされなかったのでしょうか。


1.市教委の調査で学校は「天窓はない」と報告していた。
  東京の事故を受け、市教委は2008年に2度、天窓に関する調査を行いましたが、同校は「なし」と事実と異なる報告をしていました。市内だけで同校の他に天窓がある二校が「天窓はない」と報告していました。なお、校長によると、誰が「ない」と報告したのかはわからないとのことです。その後2008年9月、耐震化工事の事前調査で当校・市教委は天窓の存在を確認しています。
2.屋上は施錠されていることから、児童の立ち入りを「不可」としていた。
  今回の事故は学校の周囲の建物を調べようという授業で屋上が使われて発生しました。最低でも2008年度から3年生の授業で年に一回屋上が使われていたことが分かっています。実際に授業で児童が立ち入る実態があるにも関わらず、虚偽の報告がなされていました。
3.天窓に防護柵が設置されていなかった。
  建前上、屋上には児童を立ち入らせないことになっているため、天窓の周囲には特に対策は取られていませんでした。
4.教諭の指導があったにも関わらず、天窓に乗った児童がいた。
  47歳の男性担任教諭は「台座に上らないように」と児童に指導していました(つまり、天窓の危険性は認識されていたということです)。けれどもその指導にもかかわらず、転落した児童の他に数名の児童が天窓に乗って飛び跳ねていました。指導が徹底できないのであれば、安全対策が十分でない危険な場所に児童を連れていくべきではありませんでした。