アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故

高齢者ドライバーの事故増加がマスコミで大きく扱われています。交通死亡事故件数が減少傾向にある中、高齢者ドライバーが原因の死亡事故が増えている訳ですが、これは(全ドライバーに占める)高齢者の割合が増加していることからすると自然なことです。年齢別の事故率を見ると、高齢者ドライバーよりも20歳以下のドライバーの事故率の方が高く、必ずしも高齢者ドライバーの運転が危ないとは言い切れないのかもしれません。
とは言うものの、加齢により認知や判断が遅れるというのは紛れもない事実であり、現在自動車関連企業が押し進めている自動ブレーキ装備車が広まり自動運転の実用化が待たれるというのもわからない話ではありません。但しアクセルとブレーキの踏み間違いに起因する事故に限ると、そのような新技術を導入するまでもなく、もっと簡単な方法で防ぐことが可能です。
アクセルとブレーキの踏み間違いによる事故はオートマチック車で起こります。マニュアル車でもアクセルとブレーキを踏み間違えることは無いとは言い切れませんが、それでもフルブレーキの操作をする際は同時に左足でクラッチを切るので、アクセル全開で空ぶかししたまま空走することはあっても、ブレーキのつもりでアクセルを踏み込んで加速し続けるということはありません。結果として接触してしまう事故になったとしても、猛烈な勢いでぶつかる事故は防ぐことができます。少なくともアクセルとブレーキの踏み間違いによる事故は、オートマチック車からマニュアル車に乗り換えることで防ぐことができます。
一般に、マニュアル車の運転操作はオートマチック車より難しいと考えられています。永年オートマチック車の運転しかしていない人が、高齢になってからマニュアル車に切り替えることは難しいかもしれません。また、認知や判断、そして操作に時間が掛かる高齢者にとって、マニュアル車の運転操作はオートマチック車より数段難しいかもしれません。けれども、本当にマニュアル車への乗換えやマニュアル車の操作が難しくて運転が困難だというなら、それこそもう高齢のため自動車の運転は無理だということになるのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、高齢になってからマニュアル車に乗り換えるというのはハードルが高いと思います。年を取ってからも可能な限り自分で運転をしたいと考えているなら、年を取ってしまう前にマニュアル車を選択するのも良いのではないでしょうか。少なくともそれで、万が一のアクセルとブレーキの踏み間違い事故は防げます。