ekiden_racer2009-05-20

5月16日に兵庫県神戸市で初の国内感染者が判明した新型インフルエンザ患者は、20日の朝の時点で兵庫県大阪府滋賀県の3府県にわたる196人、昼には236人となりました。現在のところ、新型インフルエンザは弱毒性で、妊婦や基礎疾患を持つ患者を除けば症状が重篤化する恐れは比較的少ない一方で、免疫がないために感染力が強いと言われています。
【4月は「遠い国での出来事」】
メキシコで多くの豚インフルエンザ患者が発生しているとの報道があったのが4月22日、WHOが世界的流行の警戒水準をフェーズ3から4に引き上げたのが27日、日本政府が新型インフルエンザの発生を宣言し対策本部を設置したのが28日でした。4月の時点では新型インフルエンザが世界的な流行が懸念されるものの、それはまだ遠い外国での出来事であり、流行地域からの渡航者に対する検疫を強化するという水際対策が重視される状況でした。
渡航者の感染判明〜5・9】
5月9日、成田国際空港に到着した大阪府の高校生2人と教諭1人が新型インフルエンザに感染していることが判明しました。翌10日に同じ高校の1人が感染していたことが判明し、新型インフルエンザに感染した渡航者は合計4人となりました。同じ飛行機に乗り合わせ、感染者の近隣座席にいた12人が濃厚接触者として宿泊施設に泊め置く停留措置が取られました。この間にも一部の乗客が機内検疫をすり抜けて国内に入ったのではないかとの疑いが持たれたことがありましたが、この時点では水際対策は一応の効果を挙げていました。
【国内感染者の判明〜5・16】
神戸市では16日に高校生の感染が確認されましたが、この高校生には海外渡航歴がなく、初の国内感染と確認されました。厚労省はこれまで、新型インフルエンザかどうかの遺伝子検査は最近の海外渡航歴の該当者を対象としていました。ですので渡航歴のない高校生患者は、本来は新型かどうかの検査をする必要はありません。けれども検疫をすり抜けて既に国内に新型インフルエンザが蔓延しているのではないかと疑った医師が検体検査を依頼した結果、新型インフルエンザであると確認されたのです。結局この日に確認された新型インフルエンザ患者は8人となりました。