舛添要一都知事の何が問題か

週刊文春の記事をきっかけに、舛添要一都知事に幾つかの疑惑が報じられています。
1.海外出張の多大な支出
2.公用車で別荘通い
3.家族旅行の費用を政治資金として計上

舛添都知事は会見で、それぞれ釈明や謝罪を行い、説明責任は果たしたと考えているようです。その言い分についての判断はここではさて置き、百歩譲って言い分を全て受け入れることにしたとしても、この人物に今後も都政を任せ、東京五輪でも顔として振舞ってもらいたいとは思えなくなってきました。

たとえばプロ野球でマスゾエ選手という人がいたとします。マスゾエ選手はドラフト1位で入団してきた期待の選手で、1軍で試合に出ていますがこのマスゾエ選手、「三振が多い」「エラーが多い」「足が遅い」。さて、あなたが監督ならこの選手をこれからも使いたいと思うでしょうか。

マスゾエ選手はこう言います。「三振が多いのは長打を狙っているからです。」「エラーが多いのは難しい当たりでも取りにいこうとした結果です。」「足が遅いのは長打力を増すためにウェイトを増やしたからです。」それぞれの言い分はある面でなるほどと思わなくもありませんが、何だか腑に落ちません。後になって「三振やエラーを減らし、機動力あるプレーを心がけます」と言いなおしたりしたようですが、なんだかなーという感じです。

仮に三振・エラーが多く、さらに足が遅くともホームランを量産してくれるのであればチームにとって欠かせない選手です。多少のデメリットはあってもそこには目をつぶって監督は使うでしょう。けれど特に活躍してくれるわけでなく走攻守人並みでしかなければ、ゲームで使えるプレーヤーにもベンチ入りできる選手にも限りがありますから、「三振・エラーが多く、足が遅い」マスゾエ選手は、2軍に落とすかトレードするか或いは退団してもらうしかありません。

私にとってマスゾエ選手…ではなく舛添都知事は、出張旅費や公用車使用や活動費の公私混同といった(瑣末な)問題があっても、知事として試合を決める華々しいホームランを量産してくれているようには見えません。一つ一つの問題についての釈明を受け入れるかどうか以前に、問題の多い知事に「これまで以上に都民のために働きたい」と言われても、勘弁してよとしか思えないのです。些細なことでも都民の意思意向とそぐわない行動が多い人物なら、他のもっと重大なこと案件でもおかしな判断をしてしまうのではないかという疑念がずっとついて回るからです。