平塚市のマンションで5人の遺体が発見された事件は、35歳の異母兄の自殺体と19歳異母妹の絞殺体、さらに身長120センチの児童と二人の新生児の遺体があったことから当初異母兄弟のインセストと嬰児殺しではないかと見られていたのだが、54歳の母親が実子である19歳妹を絞殺した疑いで逮捕されたことでそれ以上の複雑な人間関係が背後にある事件だということが判ってきた。
事情を知っているのが54歳の母親だけであるために、彼女が欺いたり口を閉ざせば真実は見えてこないかもしれない。子どもたちの遺体がいつ頃からマンションにあったのか、殺された19歳の妹はどこまで事情を知っていたのか、という点がどうしても腑に落ちない。
母親が愛人関係にあった異母兄が異母妹に関心を持ち始めたか実際に関係を持ったことで嫉妬し、殺害した。それを苦にした異母兄が半年後に自殺した。そこまでは想像できるのだが、そこに3人の子どもの死体が関わってくるともうわからない。
私は3人とも母親が出産した子どもたちだと考えているのだが、自ら進んでそのような状況を作り出した母親と異母兄はともかくとして、異母妹がそうした周囲や自分の状況をどのように把握し整理していたのかがどうしても理解の範疇を越えてしまうのだ。