時事通信によると、本日行われている参議院選挙で地方区と比例区の投票用紙交付ミスが全国で相次いでいるそうです。これまでに茨城県大子町淺川で5人9票、三重県伊賀市西明寺で9人18票、山形県鮭川村で3人5票、長野市松代で9人17票、岐阜県山県市岩佐で10人に対し同様のミスがあったことが判明しています。
三重の例では交付機に投票用紙を入れ間違え、岐阜の例では市職員が地方区と比例区の投票用紙を渡す順番を間違え、長野の例では交付機が不調だったために手渡した際に間違えたといいます。
日本全国で投票所は5万1742カ所あるとのことですから、そこで日頃やりなれない作業ですからこの程度の間違いが起きても仕方がないのかという気もしなくもありませんが、それで実際に投票に訪れていながら投じた票が無効になってしまうのですから見逃すことはできません。それでなくとも選挙にあたっては実際に投票用紙を交付する作業をする人のほかに投票立会人を置いて、投票が公正・厳正に行われるよう監視している筈です。さらに今回の選挙当日に先立って行われた期日前投票でも、投票用紙交付機に誤った投票用紙をセットしたことによる交付ミスが相次いで起きていたのですが、その反省や確認の徹底が全く生かされていないということになります。
これまでに判明している期日前投票の交付ミスは、香川県高松市で7人13票、広島県三原市で3人6票、静岡県静岡市で5人10票、兵庫県明石市では1人に間違って手渡したものの投票後に気づき、改めてもらい直した投票用紙で再投票するという二重の間違いが起きています。
期日前投票でミスが判明した県では、選挙管理委員会からそうした間違いがないよう徹底する指示をしたといいますが、選挙管理委員会都道府県ごとの組織ですから、もしかするとこうした他府県にまでは徹底できなかったのかもしれません。また当日の投票用紙交付ミスは、いずれも投票開始直後に発生しているという点で共通しています。
期日前投票において発生した交付ミスは、交付機に投票用紙を入れ間違えるという「単純なミス」であり、また投票立会人による「チェックが機能していない」点が問題です。投票日当日に発生した交付ミスは「単純なミス」と「チェックが機能していない」だけではなく、期日前投票で「既に発生していたミスの反省が生かされておらず」、さらに朝一番で発生していることからすると「準備段階での確認不足」がミスを誘引したとも言えます。ただ誤って投票したことに気づいた人に、認められていない投票用紙の再交付を行い再投票をさせてしまったことは、「ルール違反・規定外の誤った対応」となります。またそれがどういう原因であろうともその結果が有権者の投票を有権者が起因していないミスで無効にしてしまうということは決して許されるものではありません。投票が終わると開票作業が始まり、次は選挙結果に注目が集まり投票時点でのミスは忘れ去られてしまいがちですが、次回の国政選挙では同じミスが起きないよう有効な対策を立ててもらいたいと思います。