ekiden_racer2008-02-24

【事故概要】
23日午後、名古屋市のホテル・キャッスルプラザのサークル状のらせん階段で、24歳の母親が結婚披露宴を終えて4階から3階に向かう階段を下りている途中、右腕で抱いていた7ヶ月乳児がぐずったはずみで高さ95センチの手すりを越えて、地下1階から4階までの吹き抜け部分を13.9メートル落下、死亡するという事故が起きました。
【事故概説】
キャッスルプラザでは1981年のオープン以来らせん階段・吹き抜けでの転落事故などは起きておらず、転落防止ネット等は設けていませんでした。ただし階段の柱はデザイン性を優先させた細い鉄製のものしかなく、小さなものを階段に落とした際には吹き抜けに落下することも考えられます。
手すりの高さは95センチで、屋外の手すりは高さ1.1メートル以上必要ですが、屋内階段の手すりの高さに特に規則はありません。ただまっすぐなフロア部分では手すりの高さは一定ですが、階段では段差に沿って高低が生じます。階段を昇る際には前方の手すりは高くなりますが、逆に降りるときは前方の手すりは低くなります。乳児が大人の腕の高さから落下してしまったのか、ぐずって前方に投げ出されるような形で手すりを越えてしまったのかわかりませんが、物が手すり部分を越えて落下する危険性はオープン以来潜んでおり、その落下を防ぐ手すりの工夫も、実際に物が落下した際に地下1階まで落ちることを防ぐような仕組みはありませんでした。
実際に事故が起きてしまった今では墓石安全の策しか取る事ができませんが、転落防止ネットを吹き抜けの途中に設置するよりは、吹き抜けの視認性を優先して手すりに沿って透明なアクリル板を設置するのが好ましいように思います。

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