ekiden_racer2008-03-17

【事故概要】
名古屋市東山植物園内にある人気遊具ローラー式滑り台「樹快ダー」で、4歳の女児が足の骨を折る事故が起きました。同滑り台は長さ200メートル、高低差28メートルで、女児は母親と一緒に滑っていましたが、後ろから滑ってきた利用者が母親とぶつかり、母親の足と滑り台の側壁の間に挟まれた女児の足が骨折したということです。
昨年3月にできた同施設ではこの一年の間にスピードを落とそうとした4歳男児が側面に足をぶつけて骨折したことを受け「6歳未満は親同伴で滑る」というルールを徹底させ、また滑り降りた際に70歳の女性が腰を打つ軽症を負ったことでところどころローラーを滑りにくくしてスピードを落とすよう改修をしました。この日もスタート地点で係員が20メートル程度の間隔を開けるよう指導していました。
【遊具は危険なのか?】
ローラー滑り台はスピードが出やすく、危険を伴う遊具であることには間違いありません。東山植物園でもこれまでの事故を受け、その度に対策を行っていましたが、それでも完全に事故を防ぐことはなかなか難しいようです。子どもの遊具については事故が起きるたびに全国の公園から撤去が進んでいます。かご式・シーソー式のブランコ、回転系遊具、そしてスプリング遊具も破損事故を受けて姿を消してしまいました。どんな遊具でも遊び方を誤れば危険がつきまといますし、落下すれば場合によっては事故も起きます。誰がどんな使い方をするかわからないからというのでは、公園や公共施設から遊具はどんどん撤去され、何もないつまらない公園になってしまいます。
ローラー滑り台は体重がある大人が滑ると、思わぬスピードが出ます。2002年には長野の戸隠で、長さ100メートルのローラー滑り台で、中学生が最後のカーブで曲がりきれずに骨折するという事故が起きましたが、スキーと同様自分でコントロールできないスピードになると、危ないと思っても事故を防げないのです。
スピードが出る長い滑り台は大変魅力的な遊具であることは確かです。けれども安全性を考えるなら途中で平らなところを作ってスピードを落とし滞留させるよりも、途中で分割する方が良いと思います。また同植物園のように人気遊具となり行列ができ待ち時間まで発生するようなら、200メートルを一本設置するのでなく100メートルのものを2本設置するとか50メートルを4本設置するなど、やりようはいくらでもあるように思います。

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