舛添都知事が調査結果を公表

舛添都知事が弁護士の調査結果を公表しました。旅行や美術品の購入などが「違法ではないが不適切」とされ、是正を求めるといった内容です。個人的には「自宅を事務所として家賃を計上し妻が代表を勤める団体に支払う」点を「不適切とは言えない」とした点は疑問でしたが、それでも全体的に舛添氏に不利な内容だったという印象を持ちました。

舛添都知事はこれまで疑惑に関する会見を4回行い、1・2回目は伏し目がちでお詫びを前面に出していましたが、第三者である弁護士に厳正な調査を依頼するとしてからの3・4回目の会見では、従来のギョロ目で高圧的な上からの物言いに戻っていました。知事擁立の後ろ盾となった自民・公明との間で知事続投という話がついたのか、或いは政治資金規正法に詳しい弁護士に精査してもらいさえすれば疑惑を晴らせると考えていたのかもしれません。

都議会での所信表明演説もこのような調子で、形の上では冒頭と最後に謝罪を入れましたが、誠実に説明責任を果たそうという姿勢は見られませんでした。ところが今回の調査内容公表では疑惑が噴出して憔悴していた時の会見を思わせる伏し目がちな態度に逆戻りしていました。このような公表内容であればそれも止むを得ないとは思いますが、舛添氏もこれほど厳しい内容になるとまでは思っていなかったのかもしれません。

舛添氏が費用を負担し依頼するのですから、もっと自分に有利な発表にしてもらうこともできたのではないでしょうか。或いは、目一杯割り引いてこの内容で、もうこれ以上は値引きできないということだったのかもしれません。もっとも、公平で厳正な第三者による調査をしてもらう必要があり、舛添氏側からそうした要望は出せなかったのかもしれません。けれどももう少し見苦しい無理やりな調査内容で、堂々と開き直る舛添氏の姿を予想していただけに、今日の結果公表は意外でした。

弁護士の先生からは、「舛添氏がこれ以降も東京都知事でい続けることは違法ではないが不適切だ」という判断が示されたということだと思います。百歩譲って「生まれ変わったつもりで」ということであれば、知事職を辞したうえで都民の判断を仰ぐなり、今後一切の報酬を返上して知事職をさせてほしいというくらいのことをしてもらいたいものです。不適切とされたものを返金して慈善団体に寄付し、湯河原の別荘を売却する程度のことでは、生まれ変わるどころか今までと何ら変わりません。