■長野県では田中康夫知事と県議会との対立が続いている。2002年に県議会が田中知事の不信任決議をして失職、その後再選され県議会はそれまでの会派を解散し、一旦は県知事と県議との間に融和の空気も流れたのだが、結局のところはまた以前のような対立構造に戻ってしまった。
 政治家というよりは市民派の視点で改革を進める田中知事の路線に県議会が再び難色を示したということになるだろう。もちろん対立構造を作り出した責任の一端は田中知事の態度にあることは間違いないが、もう半分の責任は県議会の多数派議員にある。県民益よりも自らの立場にばかり固執して県政を停滞させているのは本末転倒と言うか本来の道を踏み外していることになる。これまで議員立案の経験のない県議たちは田中知事の提案事項を否決するばかりで、実際に県政を停滞させているのはむしろ無能な県議の側だ。